歯を失う原因の第一位は歯周病です。
歯周病は、お口の中の歯垢や歯石を足場として細菌が繁殖し、この細菌によって歯の周りの組織が破壊され、歯を支えている骨が溶かされていき、最終的に歯が抜けてしまう病気です。
さらに最近では、歯周病はお口の中だけの病気ではなく、様々な全身疾患との関連性が報告されており、例えば心筋梗塞や誤嚥性肺炎のリスクを高め、糖尿病を悪化させることがわかってきました。
歯肉炎から中等度の歯周炎は、初期治療を行えば8割以上は治癒します。
初期治療の期間としては、週一回の治療を行うとして3ヶ月ぐらいが目安です。
中等度以上の歯周炎になると歯周外科が必要になる場合が出てきます。
①<歯周検査とは>
歯周ポケットの深さ、歯茎からの出血の有無、歯の揺れ具合などを測定する検査のこと。
歯周ポケットは、歯と歯茎の境目の深さを指し、歯周病が進行して骨が溶けてくるとどんどん深くなっていきます。4mm以上が病的ポケットです。歯周病原菌は酸素がないところで繁殖するので、ポケットが深くなればなるほど歯周病原菌が好む環境になっていきます。さらに細菌が毛細血管を破壊して血管内に侵入していくので、出血も増えます。各歯牙でそういった指数を測定して総合的に歯周病の進行具合を判断します。
②<歯石とり(スケーリング・ルートプレーニング)とは>
スケーリングとは、歯に付着した歯垢や歯石、その他の沈着物などを機械的に除去することをいいます。ルートプレーニングとは細菌の毒素がついた汚染された根面のセメント質や象牙質を除去して、硬くなめらかな根面にすることをいいます。二つあわせてSRPとよんでいます。患者さんの負担もあり、一回に4〜6歯に分けて行います。SRPを行うことで歯肉の炎症が落ち着いてきます。
同時にa-PDT療法:レーザーによる光殺菌(詳しくはこちら)を行えば非常に効果的です。
⑤<歯周外科治療とは>
歯茎を切開してあけてあげることで、歯石付着部位を直接見て除去することができる治療法です。一度溶けてしまった骨は歯石を除去するだけでは元に戻すことはできませんが、再生治療を併用することで、ある程度まで歯周組織を再生することが可能です。
<歯周病や虫歯などによって歯を失ってしまった場合>